訪問看護の活用Q&A(ケアマネジャー様へ)

訪問看護の導入は、どのように判断すれば良いですか?
医療処置、医療機器や服薬の管理などが必要な場合は、比較的早期に訪問看護の依頼をお受けしますが、生活の維持・向上などの予防的ケア、病気の悪化予防やリハビリ目的での訪問看護についても、早期の導入が理想的です。
ターミナル期の場合は、より良い最期を迎えるためには、精神的なケアや病状の予測に基づいた環境整備が重要です。より良い信頼関係を築くためには、在宅でターミナルを迎える方の場合は、出来るだけ早期の訪問看護の導入が望まれます。訪問看護が必要と思ったら、まず電話で相談をして下さい。
相談の内容をうかがい、訪問看護の必要性の判断、主治医との連携方針、身体状況や環境にあった訪問看護の検討、保険制度の判断(介護保険か医療保険か)など、状態にあった対応をさせて頂きます。
相談内容によっては、訪問看護が必要で無い場合もあるかと思いますが、生活上の何らかのアドバイスやお役に立てる情報を提供できるかと思います。悩んだ時は、お気軽に連絡をして下さい。

病院から退院するときに訪問看護を導入したい場合、病院の相談窓口と訪問看護ステーションとの連携はどのようにしたらよいですか?
退院が近づいている場合、病院からの相談で訪問看護が必要かどうか悩んだら、早めに相談を頂くと助かります。相談内容から訪問看護が必要と判断できる場合は、相談後すぐに、全般的な連携調整に対応します。
退院前にご本人とご家族と面会し、病院の医師と退院後に在宅でかかわる医師との連携調整、在宅で必要な医療機器や処置方法について病院との十分な情報共有、病院の看護師やリハ職との連携など、早くから対応させて頂くことで、在宅へのスムーズな移行が可能となります。何より、ご本人やご家族のかかえる退院後の不安を、早期から軽減することにつながります。

訪問看護で専門的なリハビリは受けられますか?
当ステーションは、看護師はもちろん、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が多数在籍しています。より充実したリハビリサービスを受けていただくことができます。

訪問看護を利用するには、介護保険と医療保険のどちらの対象になるでしょうか?
年齢と※1~3を参照し、「はい」と「いいえ」をたどって下さい。

※1「介護保険で対象となる特定疾病16種類」

1.がん末期
2.関節リウマチ
3.筋萎縮性側索硬化症
4.後縦靭帯骨化症
5.骨折を伴う骨粗鬆症
6.初老期における認知症
7.進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
8.脊髄小脳変性症
9.脊柱管狭窄症
10.早老症(ウェルナー症候群等)
11.多系統萎縮症(線条体黒質変性症、シャイ・ドレーガー症候群、オリーブ橋小脳委縮症)
12.糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
13.脳血管疾患(脳出血、脳梗塞)
14.閉塞性動脈硬化症
15.慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎、気管支喘息、びまん性汎細気管支炎)
16.両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

※2「厚生労働大臣が定める疾病」

1.末期の悪性腫瘍
2.多発性硬化症
3.重症筋無力症
4.スモン
5.筋萎縮性側索硬化症
6.脊髄小脳変性症
7.ハンチントン病
8.進行性筋ジストロフィー症
9.パーキンソン病関連疾患
①進行性核上性麻痺
②大脳皮質基底核変性症
③パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る)
10.多系統萎縮症
①線条体黒質変性症
②オリーブ橋小脳萎縮症及びシャイ・ドレーガー症候群)
11.プリオン病
12.亜急性硬化性全脳炎
13.ライソゾーム病
14.副腎白質ジストロフィー
15.脊髄性筋萎縮症
16.球脊髄性筋萎縮症
17.慢性炎症性脱髄性多発神経炎
18.後天性免疫不全症候群
19.頚髄損傷
20.人工呼吸器を使用している状態

※3「特別管理加算対象者」

1.在宅悪性腫瘍患者指導管理、在宅気管切開患者指導管理を受けている状態にある者又は、気管カニューレ、留置カテーテルを使用している状態にある者

2.在宅自己腹膜灌流指導管理、在宅血液透析指導管理、在宅酸素療法指導管理、在宅中心静脈栄養法指導管理、在宅成分栄養経管栄養法指導管理、在宅自己導尿指導管理、在宅人工呼吸指導管理、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理、在宅自己疼痛管理指導管理又は在宅肺高血圧症患者指導管理を受けている状態にある者

3.人工肛門又は人工膀胱を設置している状態にある者

4.真皮を超える褥創の状態にある者

5.在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者

通所系のリハビリにするか、訪問リハビリにするかはどのように決めたら(考えたら)いいでしょうか。
下記のような7つのパターンが考えられますので参考にしてください。
①通所系の利用に体力面や環境面、気持ちの面で外出そのものに不安感があり、訪問リハビリでその不安感を軽減して通所系につなげる場合。
②自宅に居ると心身面の不活発が心配、日中の介護力不足のため運動や入浴はさせたいが自宅での対応が難しく、通所系を利用する場合。
③本人が家族以外の人と会話をしたい、出かけたい希望があり、はじめから通所系を利用する場合。
④本人が内向的で、通所系の利用にストレスを強く生じる可能性があり訪問リハビリを利用する場合。
⑤通所系のリハビリ(集団対応、トレーニングマシーンが主体で個別対応が短時間)に、不安や不満があり訪問リハビリを希望する場合(※)。
⑥本人や家族が、自宅の介護及び介助の方法を具体的に指導して欲しい、生活環境をしっかり調整したいとの希望で訪問リハビリを利用する場合。
⑦進行性の疾患で、本人や家族が先々の容態変化に不安感が強く、マンツーマンで運動も相談もしたいとの希望で、訪問リハビリを利用する場合。
以上のパターンが考えられます。通所系の特徴は、自宅を離れ、家族以外の人との会話と馴染みの関係性がつくれ、家族以外の他者を見て心身面の不自由なのは自分だけではないと感じられる事で、自宅で過ごすよりも刺激や体力への効果は高くなります。訪問系の特徴は、希望や目標、生活環境(生活習慣、介護力、福祉用具など)にあわせて、マンツーマンに時間をかけてしっかり対応できる点です。

※ 訪問のリハビリには、①訪問看護ステーションからリハビリ専門職が訪問する訪問リハビリと、②医療機関からリハビリ専門職が訪問する訪問リハビリの2つがあります。通所リハビリと訪問リハビリの併用を検討する場合は、②の医療機関からの訪問リハビリには制約があるので注意を要します。

医療も生活介護も必要な方に対して、訪問看護で両方行ってもらうのがいいか、訪問看護と訪問介護を入れた方がいいか、どのように判断したらいいでしょうか。
訪問看護は、主治医の指示に基づき看護師等(リハビリ専門職も含む)が療養上の世話や診療上の補助を自宅等で行うサービスです。訪問看護が行えるのは、主治医の指示に基づき病状の観察・管理、身体保清、褥創等の処置、カテーテル管理、薬剤の管理と調整の補助、リハビリテーションの実施などがサービス範囲のため、訪問看護だけでは生活全般の対応は行えません。生活を支えるには、訪問介護士(ホームヘルパー)の関わりは不可欠で、連携はとても重要です。身体保清はサービス範囲が重なる所ですが、重度者の場合は訪問看護師とホームヘルパーが一緒に入ることで、身体の病状確認と入浴介助が協働して安全に行え、利用者の健康上の利益に繋がります。利用者の表情や会話時の様子、訴え、食欲や排泄状態、更衣介助時の皮膚状態など、ホームヘルパーが訪問中に得た多様な情報を教えて頂く事で、利用者が不健康に陥る前に対応策が立てられる事に繋げられます。

すでにプランに入っている訪問看護やリハビリを終了させることはできますか。また終了基準のようなものはありますか。
途中で終了はできます。介護保険では、利用者やその家族、ケアマネジャー、各サービス事業者との合意形成によるものです。終了基準の一つは、サービス計画書に掲げた目標を達成できた場合です。その他の終了理由は、契約に基づくサービスなので、利用者やその家族が療養生活上の不利益と判断したり、途中で合意形成が得られなくなったり、他の訪問看護事業所への変更希望があった場合などです。

既に訪問看護を利用中の人で、途中から看護師からリハビリスタッフ、あるいは、リハビリスタッフから看護師、というように訪問職種を変更することは可能でしょうか。可能な場合、その手順は?
療養生活上の病状の悪化でリハビリスタッフ→看護師への移行、逆に病状が安定して生活行為の改善に看護師→リハビリスタッフへの移行はあります。介護保険の場合、利用者とその家族、ケアマネジャーを主とした合意形成によりサービス内容を検討して決められるので、利用者の状態の変化や希望により、関わるスタッフの変更や頻度は変えられます。但し、訪問看護のサービスは、医師の訪問看護指示書に基づいている事もあり、医師の理解が得られない様な変更の場合は、対応できない可能性もあります。

訪問看護で行えない医療処置はありますか。
医師しか許されていない医療行為(メスを使う処置、動脈に針を刺すなど)は、訪問看護では出来ません。また、輸血は管理上の問題から、自宅で行われる事はほとんどありません。しかし、医師の指示があれば、看護師に許されている医療行為全般(点滴、皮下注射など)を行う事が出来ます。

移動時間は訪問看護の時間に含まれますか。
移動にかかる時間は、訪問の時間には含まれていません。

デイサービスや施設にも看護師さんがいますが、デイサービスや施設に訪問看護に行くことはできますか。
デイサービス利用中に訪問看護に伺うことはできません。施設には幾つかの区分があり、住宅型有料老人ホームだけは、介護保険上のケアプランに基づいて定期的な訪問が可能です。それ以外の施設は、介護保険上の定期的な訪問は行えませんが、短期入所療養介護と介護療養型医療施設を除くほか施設には、病状の急変増悪や医療保険が優先される疾病等の場合は訪問が可能です。また、介護保険上は訪問が行えない施設でも、訪看護ステーションとの契約による連携で、施設の看護業務を補う意味合いとして業務委託を受けることは可能です。

限度額に余裕がある場合で、訪問看護(あるいは訪問リハビリ)の回数に制限はありますか。
介護保険では、ケアプランに盛り込まれれば、複数回の訪問と複数のステーションからの訪問看護の利用は可能です。ただし、リハビリ専門職の訪問には回数制限があります。リハビリ専門職の訪問の単位は、20分以上を1回として数え、1週間に6回までと決められています。

指示書を出す医療機関が遠方の場合、訪問看護ステーションで取りに行ってもらえますか(あるいは、郵送でも可能でしょうか)。
遠方の医療機関でも、郵送で対応可能なので大丈夫です。県外の医療機関から訪問看護指示書を頂いている人もいらっしゃいます。